外構を考え始めるのは購入の申込みの前、工事の依頼は引き渡しまでの間が目安です。中古住宅の外構は、前の所有者が使っていたまま引き継ぎます。申込みの前に一度見ておけば、入居後にかかる工事費を読みやすくなります。契約を済ませてから「塀を直す必要があった」と分かると、予算の組み直しになってしまいます。
内見で、メジャーを持って何を測るか
内見のときは、メジャーを持って駐車場の幅と奥行きを測ります。普通車1台の目安は幅2.5m×奥行6mです。今の車は収まっても、買い替えで大きくなる場合に備えて、前面道路の幅も見ておきます。道路が狭いと、駐車場の奥行きが足りていても切り返しに苦労します。
- 駐車場の幅と奥行き:車のドアを開けられる余裕があるか。
- 水たまり:雨上がりに見られるなら、水が溜まる場所と排水先を確かめる。
- 塀のひびと傾き:目地の割れ、上部のぐらつき、道路側への傾き。
- 境界標:杭や金属のプレートが残っているか。見当たらなければ、不動産会社に確認する。
- 水栓の位置:庭の水やりや洗車で使う蛇口が、どこにあるか。
ここで見ておけば、購入後に「思ったより直す箇所が多い」となるのを防げます。直す箇所が多い物件なら、その金額を購入価格の交渉材料にできる場合もあります。気になる点は写真に残し、不動産会社に履歴を聞いておくと話が早くなります。
古いブロック塀は、現在の基準に合っているか
ブロック塀には、建築基準法の施行令に構造上の基準があります。たとえば補強コンクリートブロック造の塀は、高さ2.2m以下とされています。そのほかに、控え壁の間隔、基礎の根入れ、鉄筋の入れ方などが定められています。古い塀は、これらの基準に合っていないものがあります。
ひびや傾きが見えるときは、外構業者かホームインスペクション(住宅診断)の際に見てもらってください。危険な塀の撤去に補助金を出している市町村もあるので、費用を見積もる段階で調べる価値があります。条件は市ごとに違い、県内では次のような例があります。
- さいたま市(令和8年度の案内):道路面からの高さが80cmを超える塀が対象。上限は1件30万円で、費用の3分の2まで。
- 川越市(令和8年度の案内):高さ80cm以上の塀の撤去が対象。上限は通常10万円。
- 入間市:高さ1.2m以上の塀が対象で、上限は10万円。
- 上尾市:撤去の上限は20万円で、市内業者の施工が条件。
どの市も、交付決定の前や契約の前に工事を始めると対象外になります。道路に面しているかなど、ほかの条件もあります。上尾市と入間市の案内は年度の記載を確認できなかったため、年度によって変わる前提で、最新の内容は市の公式ページで確認してください。
擁壁がある土地は、別の確認が要る
敷地に擁壁がある場合は、塀とは別の話になります。高さ2mを超える擁壁は、築造や変更のときに工作物の確認申請の対象になります。既存の擁壁にひびや傾きがあれば、購入前に不動産会社へ築造の時期と点検の履歴を聞いておきます。外構の見積もり以前に、土地そのものの問題かもしれません。
境界標が見当たらないとき、どうするか
塀やフェンスを建て替えるなら、境界の位置が前提になります。杭やプレートが見当たらない場合は、購入前に不動産会社へ、境界の確認方法を聞きます。境界の測量は、土地家屋調査士が行う仕事です。隣地の持ち主と立ち会って確認する手順が要るため、工事の日程にも影響します。
隣との境に古いブロック塀がある場合、その塀が誰の持ち物かも聞いておきます。売買契約書や重要事項説明書に、境界の確認や越境について書かれているかも見ておきます。どちらの敷地に立っているかで、撤去や建て替えの話し方が変わります。
引き渡しの前後、どの時点で動けばよいか
外構の動き出しは、次の3つの時期に分けて考えられます。
- 契約から引き渡しまで:外構業者の現地調査を受け、概算の見積もりをもらいます。引き渡し前に敷地へ入るときは、仲介会社を通して売主の了承を取ります。
- 引き渡し直後:建物のリフォームと同時に進める時期です。足場や資材の搬入経路が重なるので、工事の順番は両方の業者に聞いておきます。
- 入居後しばらくして:暮らしてみて分かる不便を直す時期です。目隠しの高さや庭の使い方は、住んでから決めても遅くありません。
分け方の目安は、駐車場、境界、危険な塀は入居前に。庭や目隠しは暮らしてからです。予算の都合で時期をずらす場合も、生活に直結する部分から先に手を付けます。
塀と土間を作り直すと、いくらかかるか
中古住宅の外構は、既存の塀や土間をどこまで残すかで、見積もりが大きく変わります。当サイトのシミュレーターの目安では、ブロック塀は1mあたり3.2〜5万円、メッシュフェンスは1mあたり0.8〜1.6万円です。10m分を作り直すなら、ブロック塀で32〜50万円、メッシュフェンスで8〜16万円という計算になります。駐車場の土間を打ち直す場合は、1台あたり30〜45万円が目安です。
既存の塀の撤去にかかる費用は、別に見ておきます。業者によって、見積書の項目の立て方が違います。残す案との差額は、現地を見てもらわないと分かりません。
外構費をリフォームローンや住宅ローンに入れられるかどうかは、金融機関の条件で変わります。建物のリフォームと同時に申し込むのか、外構だけ別に組むのかでも必要な書類が違うので、借入先には契約の前に聞いておきます。
見積もりは、同じ範囲で2〜3社に頼む
中古住宅は、現地を見ないと金額が決まりません。1社だけで決めず、2〜3社に現地を見てもらい、同じ範囲で見積もりを取って比べます。塀を残す案と作り直す案を、両方出してもらうのも手です。
複数の業者に声をかけるのが手間なら、一括見積もりサービスを使う方法もあります。どの方法でも、現地調査の日程は引き渡しの前に決めておくと、建物側の工事との順番を調整しやすくなります。
内見から引き渡しまでの3つの宿題
- 購入を検討している物件の内見で、駐車場の寸法、水たまり、塀のひびと傾きを確認する。
- 塀や擁壁に気になる点があれば、不動産会社に履歴を聞き、必要なら外構業者に見てもらう。市の補助があるかも、この段階で窓口に聞く。
- 引き渡しまでの間に、2〜3社の現地調査を受ける。
ブロック塀の構造基準と点検の項目は、国土交通省が公表しているブロック塀に関する資料を参考にしました。擁壁の確認申請は、建築基準法に基づく工作物の扱いを自治体の案内で確認しています。補助制度は、さいたま市、上尾市、川越市、入間市の公表資料を確認しました。年度や予算で内容が変わるため、最新の条件は各市の窓口でお確かめください。