当サイトの外構費用シミュレーターは、駐車場やフェンスなど20項目から選んだ内容の費用を、下限と上限の「幅」で出すツールです。材料費と施工費をあわせた税込の目安に、付帯工事(土まわり工事費の約4〜10%)と、諸経費(約8〜12%)を自動で足します。入力例のオープン外構は約102万〜188万円、セミクローズド外構は約180万〜358万円です。確定の金額ではなく、手元の見積書が高いか安いかを調べる物差しとして使います。
何を、どう計算しているのか
選んだ項目の単価(幅)に数量をかけて足し、そこに二つの費用を加えます。
- 項目の金額:駐車場・フェンス・通路などは「1台・1m・1㎡あたりの単価の幅×数量」で出します。カーポート・門まわり・物置・照明などは数量を入れず、一式の幅をそのまま足します
- 付帯工事:仮設、残土処分、整地、重機回送など。次の8項目を除くすべての項目の合計に、約4〜10%をかけます。除外されるのは、シンボルツリー・植えこみ・立水栓・物置・照明・サイクルポート・防犯カメラ・EV充電用コンセントです。カーポート・門まわり・フェンスは対象に含まれます。画面の説明にある「土まわりの工事費」は、この母数のことです
- 諸経費・設計費・現場管理費など:付帯工事を足したあとの工事費の約8〜12%
下限は低めの仕様、上限は高めの仕様でそろえた場合の合計です。幅が広いのは、同じ項目でも素材やグレード、敷地の条件で金額が動くためです。たとえばフェンスは、1mあたりメッシュが0.8万〜1.6万円、目隠しが2.8万〜6万円と開いています。種類の選び方だけで、合計が大きく動きます。
使い方の手順
- 入力例から始める:「オープン外構の例」「セミクローズド外構の例」のボタンを押すと、項目が先に入ります。入った項目はあとから変えられます。例のボタンを押すと、それまでに入れた内容は例の内容に置き換わります。「リセット」を押すと、すべて空に戻ります
- 項目を選ぶ:イラストを見て、近いものを選びます。駐車場・カーポート、門まわり、フェンス・塀、土地の高低差、庭まわり、その他の6つに分かれています
- 広さや数量を入れる:駐車場は台数です。普通車1台は約15㎡(幅2.5m×奥行6m)で計算します。フェンスは長さで、道路側1面が約10m、2面なら約20mが目安です。玄関への通路は、小さめ約3㎡・ふつう約6㎡・広め約12㎡から選べて、数字でも直せます
- 合計を見る:右側(スマホでは下)に、合計の幅と項目別の内訳が出ます。登録や個人情報の入力は要りません
入力例で見る合計:オープン外構とセミクローズド外構
オープン外構の例は、門扉や塀をつくらず、機能門柱だけで構える構成です。内訳は次のとおりです。
- 駐車場2台:60万〜90万円(1台30万〜45万円)
- 機能門柱:16万〜32万円
- 玄関への通路(コンクリート5㎡):7.5万〜13万円(1㎡あたり1.5万〜2.6万円)
- シンボルツリー1本:3.5万〜12万円
- 立水栓1か所:4万〜7.5万円
ここまでの小計は91万〜154.5万円です。付帯工事は、シンボルツリーと立水栓を除いた83.5万〜135万円に4〜10%をかけるので、約3.3万〜13.5万円になります。諸経費の約7.5万〜20.2万円を足すと、合計は約102万〜188万円です。
セミクローズド外構の例は、道路側などを一部フェンスで囲う構成です。内訳は次のとおりです。
- 駐車場2台:60万〜90万円
- カーポート1台用:28万〜52万円
- 機能門柱:16万〜32万円
- 玄関への通路(洗い出し・ブロック敷き8㎡):19.2万〜27.2万円(1㎡あたり2.4万〜3.4万円)
- アルミ形材フェンス15m:30万〜72万円(1mあたり2万〜4.8万円)
- シンボルツリー1本:3.5万〜12万円
- 立水栓1か所:4万〜7.5万円
小計は約161万〜293万円です。付帯工事と諸経費を足すと、合計は約180万〜358万円になります。
二つの例を下限どうし、上限どうしで比べると、差は約78万〜170万円です。差の中身は三つです。カーポートが28万〜52万円、フェンスが30万〜72万円、玄関への通路が約12万〜14万円です(5㎡のコンクリートと8㎡の洗い出し・ブロック敷きなので広さも素材も違います)。残りは、これらにかかる付帯工事と諸経費です。
結果の幅は、どう読めばいいのか
まず見るのは合計より内訳です。どの項目が金額の大部分を占めているかが分かると、減らす場所と、減らしにくい場所が見えます。たとえば先ほどのセミクローズド外構の例なら、駐車場とフェンスで小計の半分以上を占めます。
次に、幅の位置を見ます。見積書の合計が幅の下側にあるなら、仕様を絞った構成か、含まれていない工事がある可能性があります。上側なら、高めの仕様か現地条件による追加の可能性です。幅の中に入っていれば、一般的な範囲です。ただし「幅の中なら適正」とは言い切れません。仕様がそろっていないまま、数字だけを比べても意味がないからです。
「外構費は建物工事費の何%」という目安を載せるサイトもありますが、公的な統計や官公庁の資料では確認できませんでした。土地の形や高低差、駐車場の台数で外構の金額は大きく変わるため、当サイトでは割合を使いません。予算は、項目を積み上げて確認します。
外構の予算の目安は、どう決めるか
予算が先に決まっている場合は、シミュレーターで項目を足し引きして、幅の中に収まる構成を探します。たとえば予算250万円で、セミクローズド外構の例(約180万〜358万円)が気になる場合を考えます。250万円は幅の中に入っていますが、上限の358万円より約108万円低い金額です。上限どおりの仕様になると、予算を超える計算です。カーポート1台用を外すと約149万〜294万円、フェンスだけをアルミ形材からメッシュに変えると約160万〜299万円です。どちらも上限は250万円を超えます。両方を変えると約128.5万〜235万円で、上限でも250万円に収まります。
金額の大きい項目を一つ変えるだけで、幅は数十万円動きます。外せない項目は、先に決めておきます。駐車場と玄関への通路、道路側の境界は、暮らし始めてすぐ必要になる項目です。デッキや植栽、物置は、後から追加しやすい項目に入ります。フェンスの種類ごとの金額は、フェンスの費用の記事で詳しく書いています。
実際の見積書と並べるときの比べ方
手元に見積書があるなら、次の順に並べます。
- 項目を振り分ける:見積書の行を、シミュレーターの項目に当てはめます。「土間コンクリート」は駐車場、「機能門柱」「ポスト」は門まわり、「ブロック積み」はフェンス・塀か土留めです
- 数量をそろえる:駐車場が㎡で書かれていれば、15㎡を1台として換算します。ただし、シミュレーターの駐車場1台(30万〜45万円)には、駐車場の掘削・残土処分・砕石・鉄筋メッシュ・型枠・目地が入っています。見積書でこれらが別の行になっていれば、駐車場に足してから比べます。フェンスはm、通路は㎡で、そろえて比べます
- 付帯工事と諸経費を分ける:見積書の合計から、諸経費と、仮設・整地・重機回送などの付帯工事の行を分けます。駐車場のための掘削・残土処分は駐車場側に入れ、それ以外の残土処分や整地は付帯工事側に分けます。残った行を、項目別の金額と比べます
- 諸経費の割合を出す:諸経費÷(付帯工事を含む工事費)です。シミュレーターの諸経費も、付帯工事を足したあとの金額にかけています。たとえば工事費が200万円で諸経費が30万円なら15%で、8〜12%の目安より高めです
- 「一式」の行を拾う:数量と単価が書かれていない行は、そのまま比べられません。内訳を出してもらいます
見積書の項目の読み方は、外構の見積書の見方の記事に詳しく書きました。複数社の見積書を並べる手順は、外構の一括見積もりのデメリットと使い方の記事にあります。
幅から外れたとき、業者に何を聞くか
合計が幅の上に外れたときは、「高い」と言う前に、次の点を聞きます。
- 「一式」とある行の、数量と単価、材料の名前
- 諸経費の割合と、含まれているもの
- 「別途」と書かれた工事の内容と、おおよその金額
- 商品名とグレード。フェンスなら高さと柱の本数も
- 現場の条件による追加がないか。高低差や、重機が入れるかどうか
合計が幅の下に外れたときも、聞くことがあります。
- 必要な工事(残土処分や砕石、鉄筋、型枠など)が入っているか
- 数量が小さく見積もられていないか
- 工事の途中で追加費用が出る条件は何か
- 安い理由は、仕様を下げたからか、含まれていない工事があるからか
理由が説明できる見積もりなら、安いこと自体は問題になりません。
シミュレーターでは分からないこと
このツールは、現地を見ずに項目と数量だけで計算します。次の条件は、金額に入っていません。最後の項目(カーポートの確認申請など)は、見積書では入っていることもあります。
- 現地の高低差:道路や隣地との差は、シミュレーターが判断しません。「土留め・擁壁」の項目に、壁の面積を自分で入れます。高さが2mをこえる擁壁は、建築基準法に基づく工作物の確認申請が必要になります(建築基準法第88条、同法施行令第138条)。設計や申請の費用が別にかかり、この金額には入っていません。扱いは市町村の窓口で確かめてください
- 地盤:地盤改良が必要になった場合の費用
- 搬入条件:前面道路が狭くて重機が入れない、資材を手で運ぶ距離が長い、といった事情による手間
- 既存外構の解体・撤去、大量の残土処分、造成
- 給排水や電気の引き込み、屋根付きガレージ、サンルーム
- カーポートの建築確認申請(面積や地域の条件により必要になり、当サイトでは2万〜10万円程度で見ています)、デッキの手すり・階段・屋根、インターホンや照明の電気工事の追加は、含まれないことがあります
サイクルポートと防犯カメラ・センサーライト、EV充電用コンセントは、公開されている実例が少ないため暫定の幅です。資材の価格や人件費も、時期によって動きます。
次にやること
入力例のどちらかを押して、全体の金額感をつかむところから始めます。次は、駐車場の台数・フェンスの長さ・門まわりの形を自宅の条件に入れ直す作業です。合計と内訳をメモに残しておくと、見積書が届いたときにすぐ並べられます。外構費用シミュレーターは、何度でも条件を変えて試せます。
見積書がまだ手元にないときは、一括見積もりサービスの比較に仕組みを並べています(広告を含みます。申し込みがあると、当サイトに収益が入ります)。同じ条件の見積書が複数そろうほど、この記事の比べ方が使いやすくなります。
参考:金額の幅は、当サイトのシミュレーターの設定(公開されている相場情報と見積もり実例を突き合わせた目安)によります。公的機関の統計ではありません。建物工事費に対する外構費の割合は、公的な資料では確認できなかったため、この記事では使っていません。高さ2mをこえる擁壁の確認申請については、三重県と東京都大田区の建築確認の案内(工作物の確認申請)を参考にしました。