当サイトのシミュレーターの目安では、フェンスは1mあたりメッシュ0.8万〜1.6万円、アルミ形材2万〜4.8万円です。目隠しは2.8万〜6万円、ブロック塀は3.2万〜5万円で、いずれも柱と基礎を含む前提になります。10m分で並べると、メッシュは8万〜16万円、目隠しは28万〜60万円です。種類だけで数倍の開きが出ます。長さ別の計算例と、金額が開く理由を書きます。ブロック塀の法令基準と、隣地との境界で決めておくことは、後半にまとめました。
種類別の1mあたりの費用はいくらか
次の金額は、材料費と施工費をあわせた税込の目安です。残土処分や整地などの付帯工事と、諸経費は、合計を出すときに別枠で加わります。
- メッシュフェンス:1mあたり0.8万〜1.6万円。細い金網のタイプで、風を通しやすい。外から中が見える
- アルミ形材フェンス:1mあたり2万〜4.8万円。縦の格子が並ぶタイプで、見た目がすっきりしている
- 目隠しフェンス:1mあたり2.8万〜6万円。板を並べて、外からの視線をさえぎるタイプ
- ブロック塀:1mあたり3.2万〜5万円。ブロックを積んで壁にする。視線も風もさえぎる
表示しているのは一般的な相場の幅で、現地を見たうえでの見積もりではありません。幅の中には高さの違いも入っていて、当サイトでは高さ別の単価までは出していません。見積もりを並べるときは、まず高さをそろえます。既存のブロック塀へのコア抜き(穴あけ)などは、この金額に入っていません。
10m・15m・20mだと、いくらになるか
道路側の1面が約10mなら10m、2面を囲うなら約20mが数え方の目安です。門扉や駐車場の開口部は、フェンスを立てない幅なので、図面から引いて数えます。計算式は「1mあたりの単価×長さ」です。
- 10mの場合:メッシュ8万〜16万円、アルミ形材20万〜48万円、目隠し28万〜60万円、ブロック塀32万〜50万円
- 15mの場合:メッシュ12万〜24万円、アルミ形材30万〜72万円、目隠し42万〜90万円、ブロック塀48万〜75万円
- 20mの場合:メッシュ16万〜32万円、アルミ形材40万〜96万円、目隠し56万〜120万円、ブロック塀64万〜100万円
外構費用シミュレーターにフェンス10mだけを入れると、付帯工事(土まわり工事費の約4〜10%)と諸経費(約8〜12%)が自動で加わります。合計は、メッシュが約9万〜20万円、アルミ形材が約23万〜59万円です。目隠しは約31万〜74万円、ブロック塀は約36万〜62万円です。
道路側と隣地側で種類を変えるときは、種類ごとに計算して足します。シミュレーターのフェンス欄が、1種類ずつの入力だからです。たとえば道路側10mをアルミ形材(20万〜48万円)にして、隣地側5mを目隠し(14万〜30万円)にすると、合計は34万〜78万円です。シミュレーターと同じ順で、付帯工事を先に足し、その合計に諸経費を足します。下限は34万円×1.04×1.08、上限は78万円×1.10×1.12で、約38万〜96万円です。手計算では、下限に約1.12倍、上限に約1.23倍をかけると近い数字になります。
同じ種類でも金額が開くのは、高さ・柱の間隔・基礎のため
1mあたりの幅が広いのは、同じ「アルミ形材フェンス」でも中身がそろっていないからです。見積もりで差が出やすいのは次の四つです。
- 高さ:どの種類も、高さが低いほど安くなります。高くなると部材が増えて、風を受ける面積も広がります。たとえば高さ1.2mと1.8mでは、同じ種類でも単価が変わります
- 柱の間隔:10mを2m間隔で区切ると柱は6本、1m間隔なら11本です。本数が増えるほど、部材のほかに、柱ごとの穴掘りと基礎コンクリートの手間が増えます
- 基礎:地面に独立した基礎をつくるか、既存のブロックの上に取り付けるかで、工事の手間が違います。地面に高低差があれば、柱ごとに高さをそろえる調整が入ります
- 仕上げ:色や木目調の柄など、表面の仕上げで価格が変わる製品もあります
目隠しフェンスは、板の隙間が少ないほど風の力を受けます。そのため製品によっては、メーカーが施工できる高さや柱の間隔に条件を決めています。見積書に商品名と高さが書かれているかを見るのは、このためです。
ブロック塀の法令基準:高さ2.2m以下、高さ1.2mをこえる塀の控え壁は3.4mごと
鉄筋で補強したコンクリートブロック造の塀には、建築基準法施行令第62条の8に基準があります。国土交通省の塀の点検に関する資料で確認できる主な内容は次のとおりです。
- 高さ:2.2m以下
- 壁の厚さ:15cm以上。高さ2m以下の塀は10cm以上
- 鉄筋:径9mm以上の鉄筋を、縦横とも80cm以下の間隔で入れる。壁の上端と基礎には横筋、壁の端部と角には縦筋を入れる
- 控え壁(塀を横から支える、短い壁):長さ3.4m以下ごとに設ける。基礎の部分で、壁面から高さの5分の1以上突き出す
- 基礎:丈(高さ)35cm以上、地面に埋まる深さ(根入れ)30cm以上
高さ1.2m以下の塀には、控え壁と、基礎の丈・根入れの基準は適用されません。高さ・厚さ・鉄筋の基準は、1.2m以下でも対象です。国土交通大臣が定める基準に従った構造計算で安全性を確かめた場合は、この基準によらない設計もできます。
見積書では、ブロックの高さ(段数)と鉄筋の入れ方、控え壁の有無が仕様欄にあるかを見ます。高さ1.2mをこえる塀で、控え壁の記載がなければ、聞いておく項目です。古いブロック塀の上にフェンスを載せる場合は、載せる前にそのブロック塀が基準に合っているか、業者に調べてもらいます。
ブロックを数段積んで、その上にフェンスを載せる形は、シミュレーターに専用の項目がありません。見積書では「ブロック積み」と「フェンス」の2行に分かれる場合があります。フェンスは種類と長さで、ブロックは壁の面積(高さ×長さ)で、別々に比べます。
基準に合わない古いブロック塀は、市町村によって撤去や建替えの補助が出ることがあります。対象や上限額は市ごとに違います。埼玉県内の例は、外構工事で使える補助金・助成金の記事にまとめました。
隣地との境界にフェンスを立てるとき、費用はどう分けるか
民法には、隣り合う土地の境界の囲障(塀やフェンス)について条文があります。法務省の公開資料に載っている内容は次のとおりです。
- 第225条:二棟の建物の所有者が異なり、その間に空地があるときは、各所有者は、他の所有者と共同の費用で、境界に囲障を設けることができる。話し合いがまとまらないときは、板塀や竹垣などの材料で、高さ2mのものにする
- 第226条:囲障の設置と保存の費用は、隣り合う人が等しい割合で負担する
- 第227条:隣り合う人の一人は、前記の材料より良いものを使ったり、高い囲障を設けたりすることができる。ただし、増える費用はその人が負担する
これらの条文は、二棟の建物の間に空地がある場合を前提にしています。実際の敷地が当てはまるかどうかや費用の分け方は、境界の位置や既存の塀、隣の方との合意で変わります。境界の上に共同でつくるのか、自分の敷地の内側に自分の費用でつくるのかも、先に決めておく点です。隣の方が費用を出すと決まっていない段階で、先に工事を進めるのは避けます。高さ・材料・費用の分け方は、工事の前に話して合意しておきます。ここでは条文の紹介にとどめるので、個別の事情は弁護士などの専門家に確認してください。
実際の場面では、工事の前に次の点を確認すると、後から揉めにくくなります。
- 境界標(境界を示す杭やプレート)の位置を、敷地内で確認する。見当たらなければ、土地家屋調査士に相談する方法もある
- 高さ・材料・工事の時期を、隣の方に事前に伝える。目隠しフェンスは、隣の庭や窓への日当たり・風通しにも影響する
- 費用を分ける話になったときは、見積書を見せて、決めた内容をメールやメモで残す
風通し・目隠し・防犯、どれを優先するか
迷いやすいのは、全部を目隠しにするかどうかです。メッシュは風を通して見通しがよい反面、庭が外から見えます。目隠しフェンスは視線をさえぎりますが、風の力を受けやすくなります。道路から敷地内も見えなくなるので、防犯の面では死角ができる点も考えておきます。道路から見通せる高さのメッシュに、照明を組み合わせる考え方もあります。防犯の考え方は、防犯を意識した外構づくりの記事にまとめました。
金額に直すと、差がはっきりします。道路側15mをすべて目隠しにすると、42万〜90万円かかります。リビングの窓の前の5mだけを目隠しにして残り10mをメッシュにすると、合計は22万〜46万円です(目隠し5mが14万〜30万円、メッシュ10mが8万〜16万円)。差は20万〜44万円になります。
視線が気になる場所は、家の中から窓の位置を確認し、外の歩道や隣家の窓の位置と照らして決めます。全面を目隠しにするより、必要な幅だけに絞るほうが、予算の調整がしやすくなります。
見積書のどの行を見るか
- 商品名と型番:フェンスの種類だけでなく、メーカーの商品名が書かれているか
- 高さと長さ:mm単位の高さと、m単位の長さ。出入口の幅が引かれているか。比べる会社の間で、高さがそろっているか
- 柱の本数と基礎:本数、基礎の種類(独立基礎か、ブロックの上か)が分かるか
- 既存の撤去:古いフェンスやブロック塀の撤去と処分が、含まれているか別途か。シミュレーターの合計にも撤去は入っていないので、古い塀がある家は、撤去の行を別に足して比べます
- 高低差の調整:段差や傾斜がある場所の追加費用が、見積もりに入っているか
- 諸経費:金額の割合はどのくらいか。内訳に何が入っているか
フェンスの下に土留めのブロックが要る敷地では、金額がもう一段動きます。当サイトの目安で、土留め・擁壁は壁面1㎡あたり3万〜6万円です。高さ1m×長さ5mなら約5㎡で、15万〜30万円がフェンスとは別に加わる場合があります。
見積書のフェンス代は、長さで割って1mあたりに直すと、この記事の目安と比べられます。ただし総額には諸経費や付帯工事が入っているので、それらの行を引いた工事費で割ります。たとえば諸経費を除いたフェンス工事が32万円で長さが12mなら、1mあたり約2.7万円です。アルミ形材の2万〜4.8万円の幅の中です。柱や基礎のほか撤去費が混ざっている見積もりもあるので、行を分けてもらいます。内訳の分け方は、外構の見積書の見方の記事で書いています。
次にやること
手順は三つです。一つ目は、道路側と隣地側で立てたい長さを、図面か実測で出すこと。二つ目は、視線をさえぎりたい場所を決めて、種類を分けるかどうかを考えること。三つ目は、外構費用シミュレーターに長さと種類を入れて、手元の見積書と並べることです。駐車場の台数や広さから先に決めたいときは、駐車場の費用の記事が参考になります。
業者を探す手間を減らしたいときは、一括見積もりサービスの比較に仕組みと注意点をまとめています(広告を含みます。申し込みがあると、当サイトに収益が入ります)。どのサービスを使う場合も、同じ長さ・同じ高さ・同じ種類で複数の見積書をそろえると、価格差の理由が追いやすくなります。
参考にした公的資料:国土交通省が公表している、組積造やコンクリートブロック造の塀の点検項目(外観点検と内部診断)の資料(建築基準法施行令第61条・第62条の6・第62条の8の基準を解説したもの)。三重県・山梨県が公表しているブロック塀の基準の資料。法務省が公開している資料「関係法令、最高裁判所判決等」(資料1)に載る民法第225条〜第227条の条文。金額は、当サイトのシミュレーターの単価の目安で、公的な統計ではありません。