駐車場の外構費用は、普通車1台あたり30〜45万円が目安です(当サイトのシミュレーターの目安)。広さは幅2.5m×奥行6mの約15㎡で計算していて、2台なら60〜90万円、3台なら90〜135万円になります。この金額には、土を掘って運び出す掘削・残土処分や砕石も入っています。ここに仮設・整地・重機回送などの付帯工事と諸経費が乗るので、当サイトの計算では、見積書の合計は1台で34〜55万円ほどです。この記事では、台数別の計算から始めて、見積書で見る行と、勾配や目地で確かめることを書きます。
普通車1台は約15㎡:幅2.5m×奥行6mの根拠
15㎡の根拠は、国土交通省の「駐車場設計・施工指針」にある駐車ますの大きさです。普通乗用車は長さ6.0m・幅2.5m以上、小型乗用車は長さ5.0m・幅2.3m以上、軽自動車は長さ3.6m・幅2.0m以上とされています。2.5m×6.0mで15㎡です。
この指針は、道路管理者が道路附属物として駐車場をつくるときの設計用です。戸建ての駐車場が同じ寸法でなければならない決まりはありません。当サイトのシミュレーターは、この寸法を物差しにして1台分を約15㎡と置いています。
小型乗用車の5.0m×2.3mなら11.5㎡で、1㎡あたり2万〜3万円の計算だと23万〜34.5万円です。軽自動車の3.6m×2.0mは7.2㎡で、14.4万〜21.6万円になります。ただし指針の数字は「以上」とする最小の枠です。当サイトのシミュレーターは台数で計算するため、軽自動車でも1台は30〜45万円で出ます。車の全長と全幅は車検証かカタログで確かめて、広さを決めます。
見積もりの図面では、奥行きが5.0mや5.5mになっていることもあります。奥行きが0.5m短いと、幅2.5mの1台で1.25㎡減り、1㎡あたり2万〜3万円なら約2.5万〜3.8万円の差です。ただし奥行きを詰めると、車の前後に余る長さが減ります。車検証の全長を見て、乗り降りと荷物の出し入れに足りるかを確かめてから決めます。
広げたほうがいい場面:ドア、切り返し、車椅子
指針の表には、ドアを開けて乗り降りするための余裕幅は書かれていません。2.5mは車が収まる最小限の枠と考えたほうが現実的です。広げるかどうかは、暮らし方で決まります。
- ドアを全開にする家:後部座席でチャイルドシートを付け外しする家や、荷物を毎回積み下ろす家では、幅2.5mだと足りない場面が出ます
- 2台を横に並べる家:幅5.0mちょうどだと、車と車のあいだが狭く、ドアを大きく開けると隣の車に当たりやすくなります
- 前面道路が狭い家:一度で入れずに切り返すなら、敷地の中に車を振る広さが要り、奥行きと入口の幅が変わります
- 車椅子で乗り降りする家族がいる家:国の基準では、車椅子使用者用の駐車施設の幅は3.5m以上です。不特定多数が使う駐車場などに向けた基準で、戸建ての広さを決める数字ではありませんが、目安になります
費用に直すと、幅を2.5mから3.0mにした1台分は、奥行き6mで15㎡が18㎡になります。3㎡増えるので、1㎡あたり2万〜3万円で6万〜9万円の上乗せです。幅3.5mなら21㎡で、1台分が42万〜63万円。2台を横に並べて幅5.0mを5.5mにする場合も、同じ6万〜9万円の増加です。毎日の乗り降りで当たる幅なので、ここは削る順番を後にしたい場所です。
台数と並べ方で、必要な広さはどう変わるか
横に並べると、2台で幅5.0m×奥行6m=30㎡、3台で幅7.5m×6m=45㎡です。縦に2台並べる縦列は、幅2.5m×奥行12m=30㎡で、面積は横並びと変わりません。
面積が同じなら、当サイトの目安では費用も同じ水準です。決め手は敷地の形と、毎朝どの車が先に出るかです。縦列は、奥の車を出すたびに手前の車を動かさなければなりません。
「土間コンクリート一行」の中身:掘削から仕上げまで
見積書では「土間コンクリート」の一行に見えても、実際は工程が重なっています。主なものは次の七つです。
- 掘削:地面を決めた深さまで掘り下げる
- 残土処分:掘った土をトラックで運び出し、処分費を払う
- 砕石:掘った面に敷き固める石。コンクリートの下地になる
- 鉄筋メッシュ:コンクリートの中に入れる、格子状の鉄線
- 型枠:コンクリートを流し込むための外枠
- 目地:コンクリートの継ぎ目に入れる溝や、すき間をふさぐ材
- コンクリート:流し込み(打設)と、表面を整える仕上げ
当サイトの1台30〜45万円は、これらを全部含んだ金額です。1㎡に直すと約2万〜3万円になります。1㎡あたりの単価が低く書かれた見積もりを見たら、コンクリート本体だけの単価か、掘削・残土処分・砕石まで含んだ単価かを確かめます。範囲が違う単価を並べると、片方が安く見えてしまいます。
量の感覚もつかんでおきます。国土交通省官庁営繕部の「構内舗装・排水設計基準」は、大型車両(5t以上)の通行が見込まれない場合に、コンクリート版の厚さを15cmとしています。その下の路盤の厚さも15cmです。この数字で15㎡を計算すると、コンクリートは約2.25㎥です。掘る深さは約30cmで、出る土は約4.5㎥になります。厚さが5cm違えば、15㎡でコンクリートは0.75㎥変わります。
台数別の計算:1台・2台・3台でいくらか
当サイトの外構費用シミュレーターは、次の順で足しています。本体は1台30〜45万円に台数を掛けます。付帯工事(仮設・整地・重機回送など、土間の工事そのものとは別に出る費用)は本体の約4〜10%です。土間の中の掘削と残土処分は本体の単価に入っているので、ここでは足していません。諸経費・設計費は、本体と付帯工事の合計の約8〜12%を乗せます。下限同士、上限同士を足した結果は次のとおりです。
- 1台:本体30〜45万円+付帯1.2〜4.5万円+諸経費2.5〜5.9万円=約33.7万〜55.4万円
- 2台:本体60〜90万円+付帯2.4〜9.0万円+諸経費5.0〜11.9万円=約67.4万〜110.9万円
- 3台:本体90〜135万円+付帯3.6〜13.5万円+諸経費7.5〜17.8万円=約101.1万〜166.3万円
幅が広いのは、下限が条件のよい敷地、上限が手間のかかる敷地を想定しているからです。実際の見積もりがどちら寄りになるかは、後半の「費用を左右する条件」で決まります。万円未満は四捨五入しています。
付帯工事と諸経費は、見積書のどこに出るか
付帯工事と諸経費を、別の行に出す会社と、単価に溶かし込む会社があります。どちらも普通のやり方です。ただ、そのまま並べると比べ間違いが起きます。
当サイトの1台30〜45万円の中身は、掘削から仕上げまでの土間の工事で、見積書では「土間コンクリート」やそれに続く行に出ます。仮設・整地・重機回送などは、別の行にする会社と、諸経費に入れる会社があります。同じ費用を二重に数えないよう、行ごとに振り分けて見ます。
たとえば、A社が「土間コンクリート 15㎡ 単価2.4万円=36万円」と、単価に入れていない「残土処分 3万円」を別の行で出し、諸経費を10%で足したとします。合計は(36万+3万)×1.1=42.9万円。一方のB社は「駐車場1台 45万円」の一行です。B社のほうが高く見えても、A社に別行の費用を足すと差は2万円ほどに縮みます。B社の一行に何が入っているかを聞き、同じ範囲にそろえてから比べてください。
見積書の見方は、外構の見積書の見方の記事で行ごとに説明しています。
見積書で確認する行
- 面積:㎡の数字が、台数×約15㎡と大きくずれていないか。図面に寸法があるか
- 厚さ:コンクリートの厚さ(cm)と、その下に敷く砕石などの厚さ
- 鉄筋メッシュ:入っているか。線の太さと網目の寸法が書いてあるか
- 目地:本数か間隔が分かるか。建物や門柱との境目の扱い
- 掘削・残土処分:数量(㎥)で出ているか、一式か。土間の単価に含まれるのか、別の行なのか
- 勾配と排水:水をどこへ流す計画か、図面や備考に書いてあるか
- 既存物の撤去:古い土間、ブロック、庭木などの撤去が含まれているか
- 諸経費:率か金額か。付帯工事と二重になっていないか
「駐車場一式」としか書かれていない見積書は、面積と厚さを書き足した形に直してもらいます。
勾配・水はけ・目地:図面で確かめること
国土交通省官庁営繕部の「構内舗装・排水設計基準」は、雨水が舗装面にたまらないよう、排水の方向と勾配を計画することを定めています。この基準の本文に、勾配の数値は載っていません。同じ省の別冊にある「横断面勾配2%」はブロック舗装の数字なので、コンクリートの土間には当てはめず、ここでも数字は書きません。確認したいのは、水の行き先です。側溝に流すのか、雨水桝に集めるのか。道路との高さの関係はどうか。図面に矢印で書いてもらうと、打ったあとの水たまりを防ぎやすくなります。
目地については、同じ基準が駐車場の目地の間隔を次のように示しています。横方向の収縮目地は約3m、縦方向の突合せ目地は約5mです。建築物や桝との取り合いには、伸縮調整目地を使います。奥行き6mの1台分なら、3mのところに目地が1本入る計算です。
この基準は公共の施設向けで、戸建てにそのまま当てはめる必要はありません。ただ、厚さ・勾配・目地の位置が見積書にも図面にも出てこない業者には、聞く理由になります。メッシュも同じで、基準では線径6mm・網目150mmの溶接金網を使うとされています。
費用を左右する条件と、次にやること
同じ1台でも、30万円寄りになる敷地と45万円寄りになる敷地があります。差が出やすい条件は次のとおりです。
- 高低差:道路との段差が大きいと、土の搬出や盛り土が増える
- 歩道の切り下げ:前面道路に歩道があり、車の乗り入れ口をつくる敷地では、道路管理者の工事承認が要ります。埼玉県の県道では、道路法第24条に基づく承認が必要で、工事費は申請者の負担と案内されています。市道は市ごとに扱いが違うので、費用が見積もりに入っているかを業者に聞いてください
- 既存物の撤去:古い土間や庭木があると、解体費と処分費が別に出る
- 重機の入りやすさ:前面道路が狭く重機が入れない敷地では、手作業が増える
- 広さと形:幅を広げる、台数を増やす、敷地が不整形で型枠が複雑になる
出入口の幅にも決まりがあります。さいたま県土整備事務所(川口市・蕨市・戸田市の県道など)の案内では、開口幅は原則として普通自動車4.2m以下、隣の敷地の境界から4m以上離すとされています。幅5.0mの2台分を道路に面して取るときは、出入口の取り方を設計の段階で道路管理者に相談します。ほかの地域は、担当の県土整備事務所に確かめます。
車が乗る部分だけを土間にして、残りを砂利にする分け方もあります。当サイトのシミュレーターでは砂利が1㎡あたり0.35〜0.8万円なので、15㎡なら約5.3万〜12万円です。どこまでを土間にするかは、駐車の位置を決めてから業者に相談します。
次にやることは三つです。一つ目は、外構費用シミュレーターに台数を入れて、予算の幅を出すこと。二つ目は、2〜3社に同じ台数と寸法で見積もりを頼むこと。三つ目は、届いた見積書を上の確認行に当てて、足りない行を質問することです。
業者探しに時間をかけたくないときは、一括見積もりサービスの比較も使えます。カーポートも付ける場合の合計は、カーポートの費用相場の記事で計算しています。
参考にした公的資料:国土交通省「駐車場設計・施工指針」(平成4年6月の道路局企画課長通達の別添、平成6年に改正)。国土交通省官庁営繕部「構内舗装・排水設計基準」とその資料(平成27年)。国土交通省「車椅子使用者用駐車施設(ハード)に関する基準及び実態調査結果について」。埼玉県の道路工事施行承認の案内(さいたま県土整備事務所)。指針は道路附属物の駐車場向け、基準は公共建築の構内舗装向けで、戸建て住宅の寸法や仕様を決めるものではありません。金額は当サイトのシミュレーターの単価によります。